スマホはどのようなタイミングで充電していますか?「寝るときにケーブルを挿して朝まで充電している」「充電があっても継ぎ足している」などのタイミングだと、バッテリーを傷めているかもしれません。今回は、スマホの正しい充電タイミングについて詳しく解説していきます。
スマホに使われているリチウムバッテリーの特性
スマホのバッテリーには、リチウムイオン電池が使用されていることが多いです。
リチウムバッテリーには、使い方次第で劣化しやすくなる特性があります。充電タイミングをチェックする前に、バッテリーの特性を理解していきましょう。
充電と放電を繰り返すことで“サイクル劣化”する
スマホなどの電子機器に使われているリチウムイオン電池は、充電することによって複数回使用可能です。
ただし、充電と放電を繰り返していくうちに“サイクル劣化”という現象によって、徐々に劣化していきます。限度なく使えるわけではなく、500回程度の充電が一般的な目安です。
過充電・過放電で“保存劣化”する
サイクル劣化は、スマホなどを使う限り避けられない劣化です。
もうひとつの現象である“保存劣化”は、充電方法によって起こる劣化なので、バッテリーの取り扱いに注意する必要があります。
バッテリーが0%になった過放電状態、100%でも充電を続ける過充電状態は、バッテリーの劣化を早める原因になるのです。
最新のリチウムバッテリーは過充電・過放電を防ぐものも
バッテリーの劣化を最小限にするためには、過充電・過放電に気を付けなければなりません。最新のリチウムバッテリーのなかには、過充電・過放電にならない設計を採用しているものも登場しています。
ついバッテリーを0%にしてしまったり、ケーブルをさしっぱなしにしたりしても、バッテリーを傷める心配が少ないです。
スマホを充電する最適なタイミング
寝る前に充電したり、自宅にいるときに充電しっぱなしにしたりするなどは、ついやってしまいがちな充電方法ですよね。
では、どのようなタイミングで充電するのが最適なのでしょうか?主なタイミングをチェックしていきましょう。
過放電しないように20%を目安に充電する
「バッテリーを使いきってから充電した方が良い」と聞いたことがありませんか?
実はそれは間違いで、バッテリーが0%になってしまうと、過放電状態になり、負荷がかかってしまいます。
バッテリーが0%にならず、いきなり切れてしまわないように、20%のタイミングで充電するのがおすすめです。充電切れまで少々余裕があるので、バッテリーを傷めずに焦らず充電できますね。
過充電を防ぐために80%で充電を停止する
寝る前に充電ケーブルを挿し、朝まで充電しっぱなしにするのは避けましょう。100%になってからは過充電され、バッテリーに負担をかけてしまいます。
十分な時間使用できて、過充電にならない80%ほどにとどめるのが最適です。100%にならないと気が済まないという方は、継ぎ足しに気をつけましょう。
iPhoneはバッテリーの負担を軽減する「トリクル充電」を採用
iPhoneには、「トリクル充電」に対応したリチウムイオンバッテリーを採用しています。
トリクル充電とは、バッテリー80%から100%までの段階で、電流を弱めてゆっくり充電するので、バッテリーへの負荷を減らしてくれるのです。
過充電状態の負担を軽減してくれるので、ケーブルを挿しっぱなしでも劣化しにくくなっています。
スマホを最適なタイミングで充電するコツ
スマホの充電タイミングは、人によっては習慣になり、簡単には変えられないこともありますよね。
最適なタイミングで充電するコツをご紹介するので、ぜひ実践してみてくださいね。
起床後に充電ケーブルに接続する
過充電をしてしまいやすいシーンが、寝ている間の充電です。朝に充電100%になっていると安心ですが、バッテリーには負荷がかかり続けています。
過充電を防ぐには、起床後にケーブルに接続し、仕事や外出の支度中に充電するのがおすすめです。
「充電が間に合わない」という方は、急速充電に対応した充電器・ケーブルを使ったり、アラームを早めにかけたりするなど対策しましょう。
充電アプリのアラーム機能を活用する
バッテリーが20%を切ったタイミングや80%を超えたタイミングは、つい見逃してしまうこともあるでしょう。そこでおすすめしたいのが充電アプリです。
充電タイミングをアラーム機能で知らせてくれたり、バッテリーを消耗しているメモリをクリーンにしてくれたりします。
充電タイミングがわかるだけでなく、バッテリーの節約にもつながるので、ダウンロードしておきましょう。
過充電ストップ機能付きケーブルなどのアイテムを使う
ついやってしまいがちな過充電は、便利な充電アイテムで防ぐことも可能です。
過充電を防いでくれる充電ケーブルや、タイマー機能付きのスマートコンセントなどを利用すれば、つい忘れてしまっても過充電を防いでくれます。
スマホを充電するときに気をつけたいポイント
スマホのバッテリーの劣化を最小限にするためには、充電タイミングだけでなく、充電の仕方も重要です。
ついやってしまいがちな充電しながらスマホを使うなどは、バッテリーにとってあまり良くありません。充電するときに気をつけたいポイントを、5つご紹介していきます。
充電しながらスマホを操作しない
充電をしながらアプリで遊んだり、動画を視聴したりする方が多いのではないでしょうか。充電をしつつ放電もしている状態になるので、バッテリーにとっては悪影響です。
充電中はできるだけスマホを使わず、使うときはメールの返信など最小限の使用にとどめましょう。
頻繁に充電しすぎない
時間があったら、「充電して常に100%にしておきたい」という方も多いでしょう。
最低限の継ぎ足し充電であれば影響は少ないですが、継ぎ足しの頻度が多すぎると、バッテリーの劣化につながりやすいです。バッテリー20%を目安に、最適な頻度で充電しましょう。
高温多湿の場所で充電しない
スマホに使われているリチウムイオン電池は、高温に弱いという特徴があります。車内や熱のこもった室内などに放置すると、熱がバッテリーにダメージを与えてしまいます。
直射日光が当たらない場所など、充電する場所にも気をつけましょう。
スマホに合った充電器を使用する
必ずしも純正の充電器である必要はありません。ただ、信頼性の低いメーカーの充電器だと、充電の質によっては劣化につながる可能性があります。
劣化の原因をできるだけ少なくしたい方は、純正または信頼性のあるメーカーの充電器を使用しましょう。
電源を切って充電するのがおすすめ
充電中は使用しなかったとしても、通信やバックグラウンドで作動しているアプリなどで電力を消費しています。
機能を完全にストップさせて充電するなら、電源を切ってから充電しましょう。連絡や通知をチェックできなくなる点には注意が必要です。
スマホのバッテリーを長持ちさせるコツ
スマホのバッテリーを長持ちさせるためには、いくつかのコツがあります。充電タイミングの20%まで長く使えれば、日常生活や仕事でスマホをフル活用できますね。
バッテリーを長持ちさせる5つのコツをぜひ試してみましょう。
GPSやBluetoothなど使っていない機能は停止する
アプリを使用したり、音楽を視聴したりした後に、GPS機能やWi-Fi、Bluetoothなどの機能をつけっぱなしにしていませんか?
オンのままだと使っていなくても通信が行われ、バッテリーを浪費してしまいます。使用した後はオフにするように心がけましょう。
使っていないアプリを削除する
ゲームアプリや便利なツールアプリなどは、だんだんと起動しなくなりがちでしょう。
使っていないアプリをそのままにしていると、不必要な通信が行われたり、メモリを圧迫したりする原因になります。定期的に不必要なアプリを削除する習慣をつけましょう。
バックグラウンドのアプリを停止する
使用していたアプリをしっかり終了させないと、バックグラウンドで起動したままになります。バッテリーの消耗が早まるので、使用していないアプリは忘れずに終了させましょう。
明るさをできるだけ暗めに設定する
画面の明るさは、明るいほど電力を消費します。不便のない範囲で暗めに設定すると、バッテリーの消耗を予防可能です。
画面設定については、自動オフまでの時間を短めに設定すれば、無駄に画面がついた状態を回避できます。
機内モードで通信を遮断する
スマホは常に何らかの通信を行っています。
バッテリーを消耗する原因なので、通信する必要がないときは機内モードに切り替えるのがおすすめです。
一切の通信が行われず、バッテリーの消耗を最小限にとどめることができます。
スマホの充電タイミングに気をつけてバッテリーの劣化を防ごう
スマホの充電タイミングは、過放電を防ぐ20%になったタイミングが最適で、過充電しないように80%で止めるのが望ましいです。
寝る前に充電してから寝る、つい0%まで使い切ってしまうという方は、朝の支度中に充電したり、充電アプリでタイミングを通知してもらったりしましょう。
充電するときに気をつけたいポイントや長持ちさせるコツも参考にして、バッテリーに優しい充電・使用を心がけてみてくださいね。