外でも手軽に充電ができる便利アイテム、モバイルバッテリー。長年使用していると、本体が膨らんでしまうことがあります。
膨らんでいる状態は明らかに異常なので「このまま放置すると危険なのでは」と不安に感じている人も多いでしょう。
今回の記事では、モバイルバッテリーが膨らむ原因・危険性について解説し、適切に処分する方法について解説します。
読み終われば、モバイルバッテリーが膨らんだ時の対処法を知ることができるので、ぜひ最後までご一読ください。
モバイルバッテリーは内部電池のガスによって膨らむ
モバイルバッテリーが膨らむ原因は、内部の電池から「ガス」が発生しているためです。
モバイルバッテリーに使われている電池の多くは「リチウムイオン電池」。
リチウムイオン電池が劣化すると、電解質が酸化してガスを発生させます。
このガスが、外部に漏れないような構造になっているため、ガスが溜まってモバイルバッテリーが膨らんでしまうのです。
モバイルバッテリーが膨らんだときのNG行為
モバイルバッテリーが膨らんでしまったときに、やってはいけないことを紹介します。
膨らんだモバイルバッテリーを使うのは危険
膨らんだモバイルバッテリーを、そのまま使用し続けると、最悪の場合、発火して火災事故に繋がる可能性があります。
もちろん、モバイルバッテリーは発火などの事故が起きないように、徹底的に安全性に配慮して作られています。
単にバッテリーが膨張しただけであれば、トラブルが起きる可能性は少ないです。
しかし、もし膨張したバッテリーに強い衝撃が加わってしまうと、溜まっていたガスが外に漏れ出し、発火してしまう危険性があります。
基本的にモバイルバッテリーは、外に持ち出して使用することが多いため、全く衝撃を加えずに使い続けるのは、なかなか難しいもの。
もしモバイルバッテリーが膨らんでいたら、今すぐに使用を控えて下さい。
膨張は進行する!そのまま放置してはいけない
モバイルバッテリーの膨張は、放置したままだと少しずつ進行します。
膨張が進行すれば、ガス漏れを防ぐシートの耐久性が低下し、破裂してしまう危険性が高くなります。
モバイルバッテリーが膨張しているのを確認したら、すぐに処分するようにしましょう。
無理やり押さえつけるのはNG!破裂するかも
膨張して、本体のカバーが浮いてくると、無理やり押さえて閉じたくなるかもしれませんが、危険なので絶対にNGです。
ガス漏れを防ぐシートが、破裂してしまう可能性があります。
また、これ以上壊れないようにと、テープなどを貼って押さえるのも危険です。
膨張は少しずつ進行するため、テープなどで固定すると負担が強まり、破裂する危険性を更に高めてしまいます。
分解修理は絶対にNG!膨張は戻せない
膨らんだモバイルバッテリーをみて、「直せるかも」と自分で分解修理するのは、絶対にNGです。
万が一、分解中にリチウムイオン電池に衝撃を加えてしまうと、ガスが漏れて発火する危険性があります。
モバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池は、小型でありながら大きなエネルギーを蓄えているもの。
安易に触るのは非常に危険です。
モバイルバッテリーが膨らんでいたら、修理しようとせずに、寿命だと諦めて素直に新しい製品を揃えましょう。
モバイルバッテリーは一般ごみとして捨てられない
モバイルバッテリーは、膨らんでしまうと修理できません。
そのまま使用するのは危険なため、すぐに処分することをおすすめします。
ただし、モバイルバッテリーは、一般ごみとして簡単に捨てることができません。
「燃えないゴミとして出せるのでは?」と考える人が多いかもしれませんが、モバイルバッテリーは衝撃により発火する危険性があるため、一般ごみとして回収できません。
もし誤って、モバイルバッテリーを一般ゴミと一緒に出してしまうと、回収したゴミ収集車の中で爆発して、火災事故に繋がってしまいます。
間違っても、モバイルバッテリーを一般ごみと一緒に捨てないようにしましょう。
膨らんだモバイルバッテリーの処分方法
膨らんだモバイルバッテリーは、発火などのトラブルを起こす危険性があるため、適切な処分を行う必要があります。
膨らんだモバイルバッテリーを、適切に処分する方法について詳しく解説します。
家電量販店などのリサイクル協力店で処分する
モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、「資源有効利用促進法」に基づく「小型充電式電池」に該当するため、リサイクルが可能です。
一般ごみとして、捨てるのが難しいモバイルバッテリーは、「リサイクル」がもっとも一般的な処分方法となります。
問題のないモバイルバッテリーであれば、家電量販店などの、リサイクル協力店に設置されている「リサイクル製品回収BOX」に入れるだけで簡単に処分が可能です。
しかし、膨張したなどの異常がある製品の場合、回収を行っていない店舗も見られます。
膨らんだモバイルバッテリーを、近くの家電量販店などで処分してもらう際には、膨らんだモバイルバッテリーでも回収可能かどうか、事前に確認しておきましょう。
信頼できる不用品回収業者で処分してもらう
コストがかかってしまいますが、不用品回収業者に頼めば、膨らんだモバイルバッテリーを引き取ってもらえます。
気を付けてほしいのは、自治体の許可を得ずに営業している業者に頼まないこと。
許可を得ずに営業する業者は、悪徳な場合が多く、頼んでしまうと高額の料金を請求されるなどの、トラブルが起こる危険性があります。
悪徳業者に捕まらないためにも、不用品回収業者に頼む際には、自治体の許可を得た信頼できる業者にお願いしましょう。
地方自治体のホームページでは、許可を得た不用品回収業者の一覧が公開されています。
住んでいる地域のホームページを調べて、事前に確認してみて下さい。
モバイルバッテリーが膨らむのを防ぐために気をつける4つのこと
モバイルバッテリーは、使い続ければ劣化は避けられないもの。
バッテリーが膨張を起こすなど、いつかは不具合を起こしてしまいます。
少しでも長く使い続けるためには、膨張を防ぐための対策を知っておくのが重要です。
今後、モバイルバッテリーの膨張を防ぐために気をつけるべきことを紹介します。
気をつけることは主に4つ。
- 必要以上の充電を繰り返さない
- 高温の場所に設置しない
- 湿気の多い場所での使用を避ける
- 大きな衝撃を加えない
それぞれについて解説します。
必要以上の充電を繰り返す
長時間にわたって過剰な充電を繰り返すと、バッテリーが劣化してしまい、膨張に繋がります。
バッテリーが溜まったら、その都度充電ケーブルを抜いて、過剰な充電を防ぐようにしましょう。
車の中などの高温になる場所に放置しない
モバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池は、熱に敏感です。
高温の場所に長時間放置するのは、膨張の原因となるので控えてください。
特に考えられるのが、夏場の暑い時期に、車の中へ置きっぱなしにすること。
夏場の車内は、エアコンが効いていないと非常に高温になります。
故障を防ぐためにも、車から降りる際には、モバイルバッテリーを車内に置いたままにするのは控えましょう。
湿気の多い場所での使用を避ける
リチウムイオン電池は、湿気にも弱いです。
現在販売されているスマートフォンは、防水性能が高いため、風呂場など湿気の多い場所で使用されている人も多いでしょう。
風呂場で動画を観ていて、気づいたら電池が少なくなってしまい、モバイルバッテリーで充電しながら使いたいと思うかもしれません。
故障の原因となりますし、万が一湯船に落としてしまったら大変です。
風呂場や海沿いなど、湿気の多い場所での使用は避けて下さい。
落下などによる大きな衝撃を加えない
モバイルバッテリーは、衝撃に弱いデリケートな機械。
強い衝撃を与えると、内部が損傷してバッテリーが膨張する原因に。
スマートフォンなどを充電する際に、活躍するモバイルバッテリーは、うっかり手を滑らせて、高い位置から落としてしまうことも考えられます。
精密機械だとしっかり認識し、落下の可能性が高い場所での使用は控えましょう。
モバイルバッテリーは取り扱いに注意して安全に使用しよう
モバイルバッテリーは、大きなエネルギーを蓄えている、繊細な精密機械です。
手軽に充電できて非常に便利なアイテムですが、取り扱いには十分に注意しなければなりません。
もし、モバイルバッテリーが膨らんできたら、発火などのトラブルを起こす危険性があるため、早急に適切な処分をすることが大事です。
今回ご紹介した対策を活用し、モバイルバッテリーをより安全に使用していきましょう。
また、当方では性能に優れた、おすすめのモバイルバッテリーを紹介する記事を公開しています。
モバイルバッテリーが故障して、新しい製品をお探しの人は、購入の参考にご覧になってみて下さい。