中国市場で2020年8月に販売が開始され、全世界でテスラ「モデル3」に次いで、2番目に売れた電気自動車として注目されている「宏光 MINI EV」。
45万円の低価格で購入できる高性能な軽自動車であり、「9.3kWh」「13.9kWh」のバッテリー容量から選べることから、非常に多数の注目を集めています。
この記事では、宏光 MINI EVの仕様・バッテリー容量、また現在日本で購入することは可能なのか、などについて紹介します。
読み終えれば、宏光 MINI EVの仕様について知れて、電気自動車(EV)に関するより詳しい知識を得られるので、ぜひ参考にしてみてください。
宏光 MINI EVは45万円で販売されている中国製の電気自動車(EV)
宏光 MINI EVは、「45万円EV」として話題を集めている小型の電気自動車(EV)です。
脱炭素社会の実現に向けて、自動車メーカーである、中国の「上汽通用五菱」とアメリカの「ゼネラルモータース」が協同で設立して、開発しました。
2020年7月から中国国内で販売を開始したのですが、あまりの価格の安さに、全世界で一番売れているテスラ社の「Model3」に次いで、2番目に売れた電気自動車(EV)です。
宏光 MINI EVの販売価格は、45万円と驚異的な価格帯で展開されており、オプションでエアコンをつけた最も高いグレードでも、60万円台で手に入れることができます。
100万円以下で、手に入る電気自動車(EV)は、世界中を探しても宏光 MINI EVだけです。
宏光 MINI EVの仕様
販売年 | 2020年 |
販売価格 | ・約46万5,000円 ・約53万円 ・約62万7,000円 |
バッテリー容量 | ・9.3kWh ・13.9kWh |
航続距離 | 120km |
電費 | ・12.9km/kWh ・8.6km/kWh |
2022年1月現在、電気自動車(EV)は高額ということもあり「興味はあるけれど買えない」という方もいるはず。
しかし宏光がもし日本でも発売されれば、45万円以下で乗れる軽自動車として大いに人気になること間違いありません。
コンパクトなボディサイズ(日本の基準値より大きい)
宏光 MINI EVのボディサイズは、小さくコンパクトなサイズ感になっています。
日本の軽自動車と比較してみると、以下のようになりました。
全長 | 全幅 | 全高 | |
---|---|---|---|
宏光MINI EV | 2,920mm | 1,493mm | 1,621mm |
日本の超小型モビリティ | 2,500mm | 1,300mm | 2,000mm |
宏光MINI EVを、日本が推進している超小型モビリティの基準と比較してみると、
- 全長が+420mm
- 全幅が+193mm
- 全高が−379mm
といったように、基準値より大きいことが分かりました。
最高速度は100km/hといった高スペック
宏光MINI EVの最高速度は、100km/hと非常に高いスペックを誇っています。
バッテリー容量に対して、航続距離は長めの120kmに設定されているので、中国では高速道路を走れます。
最高速度だけを見ても、日本の超小型モビリティよりも、格上と言えますね。
国土交通省のホームページを見てみると、最高速度が60km/hに限定した「超小型モビリティ」という新しい電気自動車(EV)のカテゴリーが追加されていました。
宏光 MINI EVが日本の公道を走る時代が来た際に、新しいカテゴリとして加わっているかもしれません。
広々とした車内
宏光 MINI EVは、日本の超小型モビリティより全長が420mm、全幅が193mmと広々としています。
特に全幅は約20cmゆったりとしているので、大人2人が乗っても、全幅と高さがあるおかげで、窮屈感なく乗車できるでしょう。
しかし、宏光 MINI EVは、前輪と後輪の車軸間の長さが短いので、後席はかなり窮屈なので、カーゴスペースとしての活用を、想定しているという点には注意が必要です。
バッテリー容量は「9.3kWh」「13.9kWh」の2種類
宏光 MINI EVのバッテリーは、「9.3kWh」「13.9kWh」の2種類があります。
ベースモデル | 中級モデル | 最上級モデル | |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 9.3kWh | 9.3kWh | 13.9kWh |
一充電航続距離 | 120km | 120km | 170km |
実用航続距離(推定) | 約84km | 約84km | 約119km |
最高速度 | 100km/h以上 | 100km/h以上 | 100km/h以上 |
空調 | 暖房 | 冷暖房 | 冷暖房 |
ベースモデルと中級モデルが9.3kWh、最上級モデルが13.9kWhと、物足りなさを感じる方がいるかもしれません。
価格や重量をこれ以上増やさない施策として、上記のバッテリー容量になったのではないかと言われています。
なので、長距離を走りたい方や、とにかく走ることを楽しみたいという方ではなく
- 近所の買い物
- 子供の送り迎え
- 通勤や通院のみ
といった、用途が限定されている方におすすめです。
宏光 MINI EVは日本電産が受注獲得している
宏光 MINI EVは、京都に本社を置く電機メーカーである日本電産株式会社から、モーターの受注を獲得しました。
日本電産は、HDD用モーターで世界市場の80%以上を持っており、モーター業界の中で圧倒的な市場独占率です。
電気自動車(EV)用駆動モーターを増産するために、中国の大連市に、工場を建設予定と伝えられています。
2021年以降の5年間で、1,500億円以上を電気自動車(EV)用駆動モーターの開発に投じると明言しており、バッテリー1Whあたりの価格が14円から10円に下がると予測しています。
日本で「宏光 MINI EV」を購入することは出来ない(2022年1月時点)
2022年1月時点では、宏光 MINI EVを日本で購入できません。
海外から自動車を輸入する場合、
- 正規販売元を通して輸入する「正規輸入」
- 並行輸入業者が海外のディーラーから買い付けた車両を輸入する「並行輸入」
の2種類があります。
宏光 MINI EVを購入できない理由は、中国で販売されている車両を、日本に輸入しても、ナンバープレートをつけられないためです。
厳密に言うと輸入は可能ですが、1台あたりに数百万円という莫大な費用がかかるので、現実的に困難とされています。
もし1台に数百万円の費用をかけて、宏光 MINI EVを日本で販売したとしても、販売価格は100万円後半になるのでは、とされています。
また、中国が「国連の車両等の相互承認協定(1958協定)」に加盟していない点も大きいです。
国連の車両等の相互承認協定(1958協定)とは、58加盟国のいずれかの国で、事前にテストをクリアしていれば、国交省で試験は受けなくていいという取り決めです。
協定を結んでいる国同士であれば、自国で販売する際の試験や手続きにかかる費用を抑えられますが、今の状態では、日本で宏光 MINI EVの購入は難しいでしょう。
まとめ|宏光 MINI EVは低価格で高性能な車種
宏光 MINI EVは、45万円という低価格で、近所の買い物や子供の送り迎えといったシーンで、利用が想定される電気自動車(EV)です。
テスラ社の「Model3」に次いで、2番目に売れた電気自動車(EV)として、世界中で注目を集めています。
残念ながら、2022年1月時点で、宏光 MINI EVを日本で購入することはできませんが、いずれかは日本でも購入できるようになるはず。
また2022年現在、各メーカーの電動化に向けた動きが活発になっています。
宏光 MINI EVを購入せずとも、低価格で高性能な電気自動車(EV)が現れることは間違いないので、今後の動向にも期待しましょう。