「自動車やバイクといったモビリティのEV化が進んでいる」といった話を耳にしたことのある方も多いですよね。
EVバイクの開発に至った背景は、2020年12月22日に政府が自動車・蓄電池産業について目標を掲げたことがきっかけです。
内容は「遅くとも2030年代半ばまでに純ガソリン車の新車販売を止めて100%電動化する*」というものでした。
この記事では、電動バイク(EV)を開発するに至った背景や歴史、メリット、2022年最新版のおすすめ電動バイクを解説しています。
記事を読み終えれば、あなたも電動バイク(EV)がどのくらい普及するのか理解した上で、どんな車種を購入すればよいかを知れるでしょう。
*参照元:「グリーン成長戦略」2030年代半ばまでに新車販売の100%を電動車両に
電動バイク(EV)開発の背景
「2030年半ばまでにガソリンバイクの販売が止まり、100%電動バイクに変わる」という発表を機に、これから10年間で電気自動車の開発や導入に注力されるでしょう。
政府の動きからも、自動車はほとんどが将来的に電気自動車になるとされており、バイクの業界でも少しずつ電動(EV)化の波がやってきています。
2018年には、日本だけでなくタイ・シンガポール・インドネシアなどが加盟している、ASEAN(東南アジア諸国連合)に対して電動二輪車「PCX ELECTRIC」を発表しました。
政府は世界的な平均気温を、産業革命以前と比較して2℃下げることを長期的目標としていますが、きっかけは温室効果ガスの排出量と吸収源による除去料との間の均衡を保つためです。
そのために自動車やバイクをEV化する動きが活発になってきています。
電動バイク(EV)の歴史
電動バイクの歴史は、1970年代に2度発生した原油価格が高騰したオイルショックに始まります。
結果として、モノの値段が上がり続けるインフレが発生したことにより、第一次オイルショックが起きてしまいます。
1978年にはイランやサウジアラビアに加えて、イラクやクウェート、ベネゼエラの5カ国で設立した石油輸出国機構(OPEC)が原油価格を段階的に大幅値上げがされました。
さらに、1979年2月に発生したイラン革命や1980年9月のイラン・イラク戦争が重なったことも原油価格高騰の原因です。
国際原油価格はオイルショック以前と比べて約2.7倍に急騰して、第2次オイルショックを引き起こしました。
第2次オイルショックが起きた際も、国内のインフレが加速して、景気が悪くなっていき、日本の省エネルギーへの取り組みを前身させていきます。
当時、バイクを稼働させるにはガソリン燃料は必要不可欠でしたが、原油価格高騰を受けて、ガソリン燃料の代替案として生まれたのが電動バイクでした。
しかし、1970年・1980年頃の電動バイクは航続距離やパワー不足といった技術的な問題を解決できず、一般に普及することなく終わってしまいます。
2000年代に入り、バッテリー技術はテクノロジーの進歩で年々向上して、航続距離やパワー不足といった問題が解消されるようになり、電動バイクは再び注目を集める乗り物になってきています。
バイクを電動(EV)化するメリット3つ
環境という観点から注目されている電動バイクですが、今からさらに普及していくことが予想され、2030年半ばにはガソリンバイクの販売がなくなると言われています。
電動バイクが一般化する世間の動きがある中で、電動バイクににすることで、わたしたちの生活にどういったメリットがあるのでしょうか。
燃料コストが安い
電動バイクは、ガソリンを使わずに電気(EV)だけで充電ができる点です。
ガソリンエンジンで走る原付は、1リットル「約35〜40キロメートル」走れます。
一方、電動バイク(原付)は1回の充電で「約35〜40キロメートル」と、ガソリンエンジンで走る原付と同じ距離の走行が可能で、充電1回あたりの電気料金は27円前後です。
※2021年12月現在のガソリン(レギュラー)の全国平均価格は161.4円
壊れにくい
電動バイクの構造は従来のガソリンバイクに比べてシンプルです。
ガソリンバイクは約8,000点の部品から作られているのに対して、電動バイクは4分の1の約2,000点から構成されています。
壊れにくいという構造上のメリットもありますが、もし壊れてしまっても部品の数が少なく故障原因を見つけやすく、修理費用自体も安く抑えることができます。
日常的なストレスがなくなる
ガソリンバイクや自動車に乗る際にガソリンの値段を気にしていた人も多いと思います。
海外の市場で原油価格が高騰・下落するので、常にテレビやネットニュースなどで最新情報に一喜一憂される方も少なくないのではないでしょうか?
しかし、電動バイクは原油価格変動の影響を受けないので、原油価格の上昇によるストレスから解放されます。
バイクをEV化する上での課題点
電動バイクはガソリンバイクよりも環境問題意外に、私たちの日常的なストレスを減らすだけでなく、長期的に使用するとなった時のランニングコストを抑えられるメリットをお伝えしました。
そんな2030年半ばまでに乗り換えを推奨されている電動バイクですが、大きな課題として「バッテリー」が挙げられます。
バイクは自動車よりも形状が小さいので、限られた搭載スペースの中で運動性能が損なわれない程度の大きさのバッテリーでなくてはいけません。
電動バイクを利用する側としては「1つのバッテリーで電気をどれだけ貯めることができるのか」というのが非常に気になる点です。
電動バイクに利用されるバッテリーには、
- 鉛バッテリー
- リチウムバッテリー
- シリコンバッテリー
の3種類があります。
中でも「リチウムバッテリー」は最も適しているとされており、その理由は「小型・軽量・高電圧」であるため。
電動バイクは自動車以上に利便性が求められる乗り物ですが、同時にどれくらいの距離を走れるかという点も重要視されます。
とはいえ、バッテリーを多く積んでしまうと航続距離は短くなってしまうため、軽量かつ高い容量のバッテリーが必要なので、「リチウムバッテリーがこれからの主流になるのではないか」と期待されています。
【2022年最新版】おすすめの電動バイク(EV)5選
電動バイクはさまざまな種類があり、スーツケースのサイズまでコンパクトに折り畳めるものや、バイクだけでなく自転車としても使用できる多機能な電動バイクが登場しています。
使用するシーンやパワー、スピードなど人によって用途や目的は違うので、自分の生活環境に合った1台を探してみてください。
ここでは、環境や経済的に優しいおすすめの電動バイクを5つほど紹介していきます。
BLAZE SMART EV:株式会社ブレイズ
「BLAZE SMART EV」は重さ約18キログラムの軽量の電動バイクです。
一般的な原動機付自転車の重さが70〜90キログラムなので、約4分の1と非常に軽いのが特徴で、わずか5秒で折り畳むことできるので、自宅や車へコンパクトに収納できるのも大きなメリット。
軽快だけでなくパワフルな走行もできる「BLAZE SMART EV」は、重さ18キログラムなので、女性でも無理せず扱うことができるでしょう。
Airwheel R6:Airwheel
「Airwheel R6」は1つのボタンで簡単に折り畳める電動バイクです。
ボタン1つで伸縮するので、折り畳む時間をかけたり、手が汚れる心配がありません。
また「自転車」「ポペット」「電動バイク」の3つのモードが搭載されているので、体がなまっているので運動したいときや坂道を楽に登りたいとき、純粋にバイクとして目的に合わた使用が可能です。
またUSBポートがついており、走りながら充電できるので、満足度が高い1台と言えるでしょう。
YikeBike ModelV:LIRICA
「YikeBike ModelV」はニュージーランド発の全く新しいデザインの次世代スクーターです。
電動バイクではありますが、これまでのバイクの見た目と違って、大きな前輪がしなやかで曲線のフォルムが個性的な全く新しいデザインと言えるでしょう。
重さも約10キログラムと非常に軽いので、持ち運びも楽です。
ただ現状日本では道路交通法で認められていない車両のため、イベントや工場での移動や、室内、私有地での運転のみになるので注意しましょう。
E-Vino:YAMAHA
着脱式のリチウムイオンバッテリーを取り外して、自宅や室内でコンセントに繋ぐだけで充電できるので、マンションに住んでいる方にも使いやすいのが魅力です。
シートの下にあるトランクにはスペアのバッテリーを収納することができます。
また、加速したい時や上り坂で一時的に速度をあげられるブースト機能が搭載されています。
AC-ZRX:株式会社アクセス
「AC-ZRX」は、最高出力が8000Wあり、ガソリンバイクの250ccクラスに相当する本格的な電動バイクです。
完全受注生産方式で販売されているため、量産型販売されているバイクのように、簡単に購入できないので、注意が必要です。
最高速度は105kw/hまで到達するので、加速や高速走行などでこれまでのガソリンバイクと変わらない走りを楽しむことができるでしょう。
電動バイクに乗り換えても、本格的にバイクを楽しみたい人は、検討してみてください。
まとめ|電動バイク(EV)はこれから普及する
このままの流れでいくと、2030年代の半ばには、ほとんどのガソリンバイクが電動バイクに切り替わります。
「YAMAHA」「Honda」といった大手メーカーが、電動バイク業界に参入していることからも、今後はインフラの整備もされていくのではないでしょうか。
各メーカーは新しい電動バイクの開発を進めているので、これからどんな電動バイクが出てくるのか、楽しみにしておいてくださいね。