2020年春ごろから2021年12月現在まで、「半導体不足」が絶えず話題に上がっています。
半導体とは、家電や自動車などに使用されている、主にシリコンでできたパーツのことです。
身の回りにある電化製品のほとんどに使われており、まさに現代社会とは切っても切れないモノです。
この記事では、半導体が世界的に不足している原因とその影響について解説していきます。
この記事を読めば、半導体についての疑問を解決できます。
半導体とは
半導体は、電気を通す「導体」と通さない「絶縁体」の両方の性質を持ち合わせた物質です。この特別な性質を応用することで、様々な製品が作り出されています。
主にシリコン(ケイ素)を加工することで製造されていますが、ゲルマニウムやカーボンが使用されることもあります。
半導体の用途として代表的な物に「CPU」があります。CPUがなければスマートフォンやパソコンは機能しません。いわば電化製品の「脳」です。CPUは他にもテレビ、炊飯器、電球など様々な製品に使われています。
半導体が不足している2つの原因
需要の急増
半導体不足の発端は新型コロナウイルスの流行にあります。
ウイルスが流行し、在宅勤務をする社会人や自宅学習を余儀なくされる学生が急増しました。
それに伴って多くの人が、Zoomミーティングやオンライン授業のためのパソコンや、おうち時間を充実させるための家電を買い揃えることになります。特に家庭用ゲーム機の品薄は大きな話題となり、メーカーは設計を変更するなどの対応を求められることになったのです。
>>任天堂Switch、半導体不足に設計変更で対応: 日本経済新聞
不安定な供給体制
コロナウイルスの流行以前から、半導体業界は転換期にありました。
一世代前の半導体工場の老朽化が主な要因です。
新型コロナウイルスが流行したのは、製造業務を新世代へ移行している最中のことでした。
そして製造環境が整わないまま需要が急増し、供給が追いつかない状況に陥ってしまったのです。
また、アメリカ・テキサス州の大寒波、台湾の水不足などの相次いだ自然災害も不足の要因として考えられます。日本企業も、茨城の工場火災や福島県沖地震などの影響によってダメージを受けています。
>>寒波被害の米テキサス半導体工場、生産再開に数週間必要=業界団体幹部 | Reuters
>>自動車8社影響深刻 ルネサス火災 半導体不足長期化も – 産経ニュース
半導体不足が与える影響
自動車と家電、特に精密機械の生産量が大きく減少することが考えられます。
実際にAppleは2021年11月、半導体不足のためiPhone13を減産すると発表しました。
>>アップル、iPhone13減産へ 半導体不足深刻化 中国の電力不足長期化で影響波及か(小久保重信) – 個人 – Yahoo!ニュース
また、この半導体不足が解消する目処は立っておらず、長期的なものになっていくと予測されています。
>>半導体不足緩和への期待しぼむ、リードタイムが11月に再び長期化
まとめ:半導体不足はコロナや災害等によって起こり、今後も続く
供給体制が不安定な中、需要が急増したことで不足した半導体。
不足の緩和には未だ目処が立っておらず、長期化する見込みです。
身近な製品にも多く使用されているため、私たちの生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
今後の動向を見守っていきましょう。
Written by Shimizu.