近年、新たな時代のモビリティとして注目されている電気自動車。
電気自動車は単なる移動手段としてだけでなく、家庭用の蓄電池としても活用されており、V2H(Veihicle to Home)の考え方が普及してきています。
家庭に蓄電池を導入しようとしている方の中には、家庭用蓄電池の方が蓄電池として優秀なんじゃないの・・?と考える方も多いでしょう。
しかし結論から言えば、電気自動車(V2H)は家庭用蓄電池を置くよりも圧倒的にお得です。
この記事では、電気自動車(V2H)が家庭用蓄電池よりも絶対にお得である5つの理由を中心に、電気自動車の蓄電池としての性能も加味して解説します。
読み終えれば、あなたも電気自動車(V2H)を蓄電池として活用したくなるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
電気自動車は蓄電池として活用できる
まずそもそも「電気自動車を蓄電池として活用する」という考え方自体、馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
電気自動車はバッテリーに電気を給電して、その蓄えた電気でモーターを駆動させて走っています。
当然、逆に電気自動車に蓄えてある電気を、家でも利用できる用に放電することも可能。
つまり電気自動車は、蓄電池としても十分に活用できて、災害時にも使える移動式大容量充電器のような役割を果たしているのです。
日産リーフなら一軒家「約4日間分」の電力供給が可能
では実際に電気自動車を利用することで、どのくらいの電力を賄うことが出来るのでしょうか。
車種によっても、もちろん大きく異なりますが、日産のデータによれば、同社のリーフ(e+)は普通の一軒家なら約4日間の電力を賄うことが出来るというデータも。
引用元:日産:リーフ[LEAF]電気自動車(EV)|蓄電池として何日間?
1日の電力消費量が12kwhだった場合と仮定しているので、多少の誤差はありますが、4日間は問題なく利用できるということです。
これだけの電力があれば、災害が起きて停電した時にも問題なく電気を活用できますよね。
蓄電池としても十分に活用できるという点で、電気自動車は新たな選択肢になっていると言えるでしょう。
太陽光発電の電気も「売る」から「使う」時代に(卒FIT)
2019年まで太陽光発電パネルを自宅に設置していた家庭では、発電した電気を売ってお金にしていることが多かったです。
売電する理由としては、これまでFIT(固定価格買取制度)という、再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で買い取ってくれる仕組みがあったためでした。
しかし2019年にFITは満了を迎え、買取価格はこれまでの4分の1以下になり、ほぼ販売価値が無くなってしまいました。(卒FIT)
現在は発電した電気を売るのではなく、使う家庭が圧倒的に多いですが、上手に使えていない家庭も少なくありません。
上手にエネルギーを活用する上でも、電気を蓄えられる蓄電池の存在は大きな存在となっているのです。
電気自動車(V2H)が家庭用蓄電池より絶対にお得な5つの理由
結論から言えば、家庭用蓄電池を導入するのであれば、電気自動車を購入して蓄電池代わりに利用した方がお得です。
電気自動車の方が家庭用蓄電池よりお得な理由は主に5つ。
- バッテリー容量が大きい
- 補助金が手厚い
- 移動手段としても活用できる
- 太陽光発電の電気を有効活用できる
- 災害時にも使い勝手が良くて便利
バッテリー容量が大きい
電気自動車のバッテリー容量は、だいたい普通自動車で40~60kwhは平均的な値として存在します。
一方で家庭用蓄電池は大容量モデルでも10~15kwhのものしかなく、かなり容量が少ないのが特徴的です。
導入価格に関しては、
- 電気自動車・・・200万円~400万円
- 家庭用蓄電池・・・80万円~120万円
と家庭用蓄電池の方が安いのは間違いありません。
ただ後述するメリットも加味すると、100~200万円しか価格が違わないのに、家庭用蓄電池を導入する意味は薄いように思われます。
補助金が手厚い
家庭用蓄電池に関しては、今のところ、国からの補助金は特に設定されていません。
つまり自分で全額支払わねばならず、自治体の補助金等が出ていない場合、減額等はありえないということになります。
しかし逆に電気自動車に関しては、補助金に力を入れており、自動車単体でも最大で40万円の補助金が支給されます。
補助金が手厚く購入しやすいという点でも、電気自動車は非常にお得なのです。
移動手段としても活用できる
当然ながら電気自動車はモビリティとしても活用できるため、蓄電池以外の用途でも利用することが出来ます。
家庭用蓄電池は、あくまでも蓄電池としての用途でしか利用できないので、同じ蓄電池としての使い方も異なります。
太陽光発電の電気を有効活用できる
太陽光発電で使った電気を、電気自動車に給電すれば、実質ランニングコストが無料の車を手に入れることが出来ます。
ためておくだけでなく、実際に使えるエネルギーとしても活用できる点で、電気自動車は最適な使い方が出来ていると言えるでしょう。
災害時にも使い勝手が良くて便利
「災害時には車は捨てて逃げましょう」とは言いますが、これはあくまでも災害に直面した時ですよね。
台風・地震などの災害は、災害が起こった翌日以降に大きなダメージを受けるケースが少なくありません。
特に電気・水道・ガソリンなどのライフラインが止まってしまい、生活もままならなくなってしまうということは少なくありません。
しかしそんな災害時にも電気自動車なら、移動可能な蓄電池として給電スポットまで移動できますし、どこでも電池として活用できます。
家庭用蓄電池は動かすことが出来ないので、災害時に役に立つのは間違いなく電気自動車だと言えるでしょう。
電気自動車を蓄電池として利用する上での注意点3つ
電気自動車を蓄電池として利用する上での注意点は主に3つです。
- 現状V2H対応車種が限られている
- V2H機器・パワーコンディショナーなどの機器導入が必要
- 家庭用蓄電池よりも初期費用・ランニングコストがかかる
V2H機器・パワーコンディショナーなどの機器導入が必要
電気自動車を蓄電池として活用するためには、V2H対応の電気自動車であることと、V2H機器・パワーコンディショナーなどの機器が必要です。
V2H機器・パワーコンディショナーを利用することで、電気自動車のバッテリーに蓄えられた電気を家庭用で使用できる電力に変換できます。
まず対応車種を選択し、V2H機器を導入しないと、蓄電池として利用できないので注意が必要です。
現状V2H対応車種が限られている
電気自動車はすべての車種がV2Hに対応している訳ではなく、V2H対応車種を選択しなければなりません。
また前提として、V2Hは日本の技術であるため、外車は対応していないことがほとんど。
2021年現在、正式な対応車種として発表されているのは以下の7車種しかありません。
- リーフ(日産)
- アリア(日産)
- e-NV200(日産)
- アウトランダーPHEV(三菱)
- プリウスPHV(トヨタ)
- ミライ(トヨタ)
- Honda e(ホンダ)
日産はすでにEV全車対応済みですが、他メーカーはあまり対応してないので、対応車種が限られているということは、覚えておくと良いでしょう。
家庭用蓄電池よりも初期費用・ランニングコストがかかる
家庭用蓄電池の場合は、工事費用も合わせて90~200万円以内に収まることがほとんどです。
しかし電気自動車は300万円以上するケースが多いですし、V2H機器も含めるともっと費用がかかってしまいがち。
また維持費用に関しても、家庭用蓄電池は一度設置すれば、ほぼ耐用年数となる10年ほど手入れが必要ありませんが、電気自動車はコストがかかります。
電気自動車の方がメリットが多いものの、全体的な費用感としては家庭用蓄電池よりかかってしまうという点は注意すべき点です。
まとめ|電気自動車を購入して便利な蓄電池を手に入れよう!
電気自動車は移動できる蓄電池として、非常に便利に利用できるのが、家庭用蓄電池と比較した時の大きな強みです。
単なる蓄電池としてではなく、モビリティとして・大容量バッテリーとして非常に優秀なので付加価値を考えれば電気自動車の方がお得。
ただ全体的な費用感は蓄電池よりかかってしまうため、現状クルマには不自由していないという方にはおすすめ出来ません。
まずは電気自動車を購入して、便利な蓄電池を手に入れられるように心がけましょう。