往年の人気車種「パジェロ」シリーズで知られている自動車メーカー「三菱自動車」。
三菱自動車は、2009年に世界初の量産型EVとなる「i-MiEV」を発売した、先駆者的なメーカーでもあります。
しかし近年は、売上が伸び悩み、商業用の電気自動車「MINICAB-MiEV」のみの販売となっています。
この記事では、三菱自動車で発売されている電気自動車(EV)を一覧で紹介するとともに、現況や今後の展望などについて解説します。
読み終えれば、三菱自動車の電気自動車(EV)は今後どうなっていくのか理解できるので、ぜひ参考にしてみてください。
三菱自動車の電気自動車(EV)における現況
2021年現在、三菱自動車は自動車メーカーとして、厳しい状況に立たされているのが現状です。
かつては国内3大メーカーの一角として数えられるほどでしたが、現在は見る影もありません。
実際に2020年11月に公開した2021年3月期の連結決算予想では、売上高は前期比35%減の1兆4800億円、営業損益は1400億円の赤字となっています。
近年は売上の減少にともなって、2016年10月には日産を筆頭株主として「ルノー・日産・三菱」アライアンスを構成するに至っています。
そんな三菱自動車でしたが、2009年には世界に先駆けて量産型EVである「i-MiEV」を発売し話題に。
当時はまだテスラも「モデルS」を量産化する前で、市場に出回っておらず、先駆者としてかなり注目されました。
軽自動車のEVとして革新的ではあったものの、価格が300万円近く、ガソリン車の軽自動車と比較すると3倍近く高かったのです。
また国内では日産のリーフも発売されており、かなり厳しい戦いを強いられることに。
他の海外メーカーも電気自動車開発に力を入れ始めたこともあって、結果的に大衆化とはならず、2021年3月をもって販売を終了しています。
三菱自動車の電気自動車(EV)一覧
MINICAB-MiEV | MiEV | |
---|---|---|
画像 | 引用元:三菱自動車 | 引用元:三菱自動車 |
現行生産 | ◯ | ×(2020年終了) |
販売年 | 2020年 | 2018年 |
販売価格 | 2,431,000円~ | 3,003,000円~ |
バッテリー容量 | 16kwh | 16kwh |
航続距離 | 83km | 164km |
電費 | 約5.18km/kwh | 約5.36km/kwh |
急速・普通 | 急速◯ 普通◯ | 急速◯ 普通◯ |
現在販売されているのは「MINICAB-MiEV」(商用)のみですが、長年主力商品として販売されてきた「MiEV」は今後も中古車として見かけることも多いはずなので、紹介しておきます。
MINICAB-MiEV
MINICAB-MiEV | |
現行生産 | ◯ |
販売年 | 2020年 |
販売価格 | 2,431,000円~ |
バッテリー容量 | 16kwh |
航続距離 | 83km |
電費 | 約5.18km/kwh |
急速・普通 | 急速◯
普通◯ |
日本では一般的に「軽バン」と呼ばれるタイプの自動車をEV化したものが「MINICAB-MiEV」です。
電気自動車はもともと長距離移動ではなく、短距離の街利用に適した車であると言われており、本来であれば軽バンなど街中移動を中心とした車に適しています。
2020年9月には、モデルを多少変更し、商用車としての販売戦略を強化。
商用車EVとして今後も多くの営業所で利用が見込まれているとのことです。
i-MiEV
MiEV | |
現行生産 | ×(2020年終了) |
販売年 | 2018年 |
販売価格 | 3,003,000円~ |
バッテリー容量 | 16kwh |
航続距離 | 164km |
電費 | 約5.36km/kwh |
急速・普通 | 急速◯
普通◯ |
世界初の量産型EVとして一斉を風靡したものの、価格の問題から生産台数が伸びず、2021年3月に生産終了が発表された「MiEV」。
販売開始以来、日産「リーフ」とともに国内の電気自動車として利用されてきましたが、ついに生産を終えることになってしまいました。
軽自動車EVは機能性としては非常にニーズがあったものの、コストダウンが進まずに、購買層となかなか価格がマッチしなかったのが問題でした。
とは言え、中古自動車市場では、見かける機会も増えるため、今後安く電気自動車を購入したい方にとってはおすすめな車種であると言えるでしょう。
三菱自動車の電気自動車(EV)の今後の展望・戦略
「i-MiEV」の販売が終了し、今後どのような戦略を打ち出すのか注目されていた三菱自動車。
先行きが不安視されていましたが、2021年8月27日の発表で、日産と共同開発中の新型軽自動車EVを2022年中に発売することを発表しました。
これまで販売価格とターゲットとする顧客層(地方での利用者)がマッチせず上手く販売できないということがネックだった軽自動車EV。
しかし発表によれば、新型軽自動車EVの価格は「約200万円台」にまで抑えられていると言われており、手頃な価格感での提供を目指しているとか。
EV化の波が進む一方で、なかなか普及しないという問題点を解決するフェーズに入った自動車業界。
今後のEV化促進を進める上で、再び国内の先駆者として市場を牽引できるかどうか、注目しておきましょう。
まとめ|三菱自動車の電気自動車(EV)は今後に期待!
先述したように、現状三菱自動車の電気自動車(EV)は商用車のみの販売となっているため、一般向けの車両は購入できません。
しかし発表によって明らかになった、三菱自動車の新たな軽自動車EVは、スペックによってはかなり期待できそうです。
三菱自動車の電気自動車(EV)を購入したいと考えているのであれば、もう少しタイミングを遅らせて、2022年の発表を待ちましょう。