高速通信が可能なWiMAXですが、中には「速度が遅い」と感じる方もいらっしゃるようです。
この記事では、GMOとくとくBB WiMAXに焦点を当て、速度が遅くなってしまう原因やその対策について解説していきます。
速度が改善されない場合の代替案などもご紹介していますので、これからGMOとくとくBB WiMAXを検討されている方も含め、ぜひ参考にしてください。
GMOとくとくBB WiMAXが遅い8つの原因とその対策
まずは、GMOとくとくBB WiMAXが遅くなってしまう原因を整理しておきましょう。主な原因は、以下の8つです。
- 旧回線「WiMAX」を利用し続けているから
- 端末によって最大速度が異なるから
- WiMAX2+回線の対応エリア外だから
- ポケットWi-Fiの設置場所がよくないから
- 端末の調子がよくないから
- 他の電波とバッティングしているから
- パソコンの省エネモードを使用しているから
各原因の詳細を、それぞれの対策と合わせて解説していきます。
1.旧回線「WiMAX」を利用し続けているから
実は、WiMAXには以下の3つの回線があります。
- 旧回線のWiMAX(2018年9月に新規受付終了)
- 新回線のWiMAX2+
- WiMAX +5G(GMOとくとくBB WiMAXでは非対応)
それぞれの速度は大きく異なるため、旧回線のWiMAXを利用している方は「速度が遅い」と感じてしまう可能性が高いです。
特に注意が必要なのが、「2015年以前に発売したWiMAX端末を使っている場合」です。古い端末はWiMAX2+回線に対応していないため、最新の高速回線の恩恵を受けることができないためです。
解決方法は、モバイルルーター端末をWiMAX2+回線対応の新しい機種に変更すること。契約している機種を確認のうえプロバイダであるGMOとくとくBBに問い合わせてみてください。
GMOとくとくBBは一定期間の利用者を対象にWiMAX2+の最新端末への無料変更を実施しているので、安心できますね。
2.端末によって最大速度が異なるから
GMOとくとくBBで取り扱っているモバイルルーター端末の主な機種と速度を下記にまとめました。
機種名 | 下り最大速度 |
---|---|
Speed Wi-Fi NEXT WX06 | 440Mbps |
Speed Wi-Fi NEXT W06 | 1.2Gbps |
WiMAX HOME 02 | 440Mbps |
すべてWiMAX2+回線に対応していますが、下り最大速度にバラツキがあります。
つまり、下り最大速度の速い端末に機種変更すれば、速度が改善される可能性があるということです。
特に複数デバイスを同時に接続している場合、1台あたりの通信容量は接続しているデバイス分必要になるため、最大速度の違いを感じやすいです。
GMOとくとくBBでは、WiMAX2+を20ヶ月以上利用している方を対象に、端末代金0円・事務手数料3,300円(税込)でモバイルルーター端末の交換を受け付けています。(「3年プラン」を利用している方は32ヶ月以上の利用で交換可能)
もし、契約期間が短く端末の交換ができない場合は、他のプロバイダに乗り換えるのも一つの方法です。この方法については、後ほどご紹介します。
3.速度制限にかかっているから
WiMAXに限らずポケットWi-Fi全般に言えることですが、2021年現在、通信容量が完全無制限のプランは存在しません。
WiMAXの場合、プランによっては月間通信容量こそ無制限ですが、3日間で10GBという短期的な容量制限があり、容量を超えると速度制限がかかってしまうため、速度が遅くなってしまうのです。
GMOとくとくBB WiMAXには2つのプランがありますが、それぞれ通信容量と速度制限がかかった場合の速度が公表されています。
- ギガ放題プラン:3日で10GBを超えると約1Mbpsまで低下
- 7GBプラン:月間7GBを超過すると最大128kbpsまで低下
前者の場合は3日で10GBを超えた翌日の18時頃から翌2時頃まで速度が低下し、それ以降は解除されます。
後者の場合は、翌月まで制限は解除されません。
上記のパケット容量には、auのLTE回線を利用できる「LTEオプション」の利用量も含まれるため注意してください。
「LTEオプション」は月額1,105円(税込)かかりますが、3年契約で無料に。au 4G LTE対応機種で「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えることでLTEオプションを使えます。
4.WiMAX2+回線の対応エリア外だから
GMOとくとくBB WiMAXのモバイルルーター端末は、WiMAX2+回線だけでなくau 4G LTE回線にも対応しています。
そのため、WiMAX2+の対応エリア範囲外であってもインターネット接続が可能なのですが、WiMAX2+回線とau 4G LTE回線では速度が大きく異なります。
回線の種類 | 下り最大速度 |
---|---|
WiMAX2+回線 | 440Mbps~558Mbps |
au 4G LTE回線 | 37.5Mbps~75Mbps |
au 4G LTE回線のみの対応エリアの場合、WiMAX2+に対応したエリアと比べて1/10程度の速度しか出ないということですね。
本家UQ WiMAXの公式HPでエリア確認が行えるので、ご自身のエリアを事前に確認しておきましょう。
au 4G LTE回線が利用できるため、例えば出張先がWiMAX2+回線のエリア外であってもインターネット接続が可能です。
その意味では非常に便利ですが、普段使いのエリアがau 4G LTE回線のみの場合はWiMAX本来の高速通信を活かすことができません。別の回線への乗り換えも検討しましょう。
5.ポケットWi-Fiの設置場所がよくないから
WiMAXの電波は直進する特徴があるため、建物の中や部屋内に障害物があると電波が届きにくくなり、速度が低下する可能性が高いです。
電波の通りをよくするために、以下のポイントを意識してください。
- 部屋の窓際に近いところに端末を置く
- 地下室や防音ルールではできるかぎり使用しない
- 金属板や水槽、電子レンジの近くでは使わない
6.端末の調子がよくないから
モバイルルーター端末の動作が一時的に不安定になっている場合も、速度は低下します。そのような時は、まず再起動をしてみましょう。
再起動をしても改善されなければ、RESETボタンを押下して初期化をしてみてください。PCやスマホのWi-Fi接続を再設定する必要がありますが、接続状況が改選することがあります。
それでも速度が変わらない場合は端末故障の可能性もあるため、サポートセンターに問い合わせしてみましょう。
7.他の電波とバッティングしているから
他のWi-Fiや電子レンジなど、周波数が似ている電波とは電波干渉を起こす可能性があり、電波干渉が起きると通信速度は遅くなります。
電波干渉は下記のような状況で起こりやすいので、ご自身の環境を確認してみましょう。
- オフィスビルやマンションで利用している
- 近くにWi-Fiスポットがある
- 電子レンジが近くにある
特に、都心部は電波干渉を受けやすいという傾向にあります。
その場合におすすめなのが、「802.11ac(5GHz)の電波帯」を使用するという対処法です。
WiMAXは2.4GHz帯と5GHz帯の2種類の電波が使えますが、電波干渉を起こしやすいのは2.4GHz帯の電波です。そのため、5GHz帯に切り替えることで、電波干渉を防ぐことができます。
5GHz帯の設定方法
5GHz帯の電波は初期設定でオフになっていることが多いため、利用時は以下の手順で設定を行いましょう。
〇Speed Wi-Fi NEXT WX06の場合
本体メニューから左にスライドし、「設定」>「LAN側設定」>「Wi-F周波数i設定」>「2.4G、5G個別」で「5GHz(屋内)」または「5GHz(屋外)」を選択。
〇Speed Wi-Fi NEXT W06の場合
タッチメニューの「設定」>「通信設定」>「Wi-Fi設定」より設定
原則として、Wi-Fiの電波は規格が新しいほど通信速度が速い傾向にあります。その意味でも、規格の新しい5GHz帯の使用がおすすめです。
8.パソコンの省エネモードを使用しているから
モバイルルーター端末には、「省エネモード」というモードがあります。このモードに設定するとバッテリーの持ちがよくなりますが、最大通信速度が220Mbpsまで下がるというデメリットも。
モバイルルーター端末の「省電力設定」からハイパフォーマンスモードに設定し直せば、変更が可能です。
ハイパフォーマンスモードで速度が改善されるか確かめてみましょう。
GMOとくとくBB WiMAXの接続を安定させるための2つのポイント
ここまで、速度が遅い場合の対応策をご紹介してきましたが、ここからは速度を「安定」させるための方法をご紹介していきます。
GMOとくとくBB WiMAXの速度を安定させる方法は、以下の2つ。
- 有線接続する
- パラボラアンテナを利用する
順番に、確認していきましょう。
クレードルで有線接続する
多くの場合、モバイルルーター端末とスマホやPCなどのデバイスの接続は無線で行っていると思います。
Wi-Fi接続ができる点がWiMAXのメリットでもありますが、やはり無線接続より有線接続にした方が通信の安定性は高いです。
通常、WiMAXのモバイルルーター端末と各種デバイスは有線接続できませんが、クレードルという機器を利用することで有線接続が可能に。
クレードルには充電装置としての機能もあるため、1台持っておくと便利です。モバイルルーター端末に「Speed Wi-Fi NEXT WX06」を選択すると、申し込み時のオプションとしても購入することができます。
ポケットWi-Fiを有線接続するメリットや注意点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
パラボラアンテナを使う
パラボラアンテナとは、おわん型のアンテナのこと。スカパーなどの衛生放送を観る際に使用されるものとして有名ですね。
電波がおわんの中に入ると、入ってきた角度と同じ角度で出ていきますが、すべての電波がある一点を通過します。
この集まった点は焦点と呼ばれ、焦点に集まった電波を利用して効率よく送受信するのが、パラボラアンテナの仕組みです。
この原理を利用して手作りでパラボラアンテナを作成し、焦点にモバイルルーター端末を置くと、WiMAXの電波も安定します。
テレビ用のアンテナを購入する必要はなく、台所にある金属製のボウルとクレードル(もしくはまな板スタンド)があればOK。
ボウルの真ん中に端末を設置するだけですので、通信が安定しない方は試してみてください。ボウルの代わりにアルミホイルを使っても、効果が期待できます。
WiMAXの速度はどのプロバイダ会社を選択しても同じ
GMOとくとくBBをはじめ、WiMAXには複数のプロバイダが存在します。そして、どのプロバイダを選択しても、WiMAXの速度が変わることはありません。
その理由は、各プロバイダが共通のモバイルルーター端末を提供しているからです。
同じプロバイダであってもモバイルルーター端末の機種によって速度が変わることはありますが、プロバイダによる速度の違いはありません。
モバイルルーター端末の種類による下り速度の違いは、こちらを参考にしてください。
機種名 | 下り最大速度 |
---|---|
Speed Wi-Fi NEXT WX06 | 440Mbps |
Speed Wi-Fi NEXT W06 | 1.2Gbps |
WiMAX HOME 02 | 440Mbps |
GMOとくとくBB WiMAXの通信速度は最大下り1.2Gbps
WiMAXに対応したモバイルルーター端末の中で最も通信速度が速いのが、「Speed Wi-Fi NEXT W06」です。最大の下り速度が1.2Gbpsと、光回線並のスピードを誇ります。
ただし、下り最大1.2Gbpsに対応しているエリアは、東京、埼玉、愛知、大阪の一部。それ以外の地域は最大440Mbpsです。
また、下り最大1.2Gbpsを実現するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- USB3.0 タイプCで有線接続(無線の場合は最大867Mbps)
- ハイスピードプラスエリアモードに設定
- ハイパフォーマンスモードに設定
- 4×4MIMO設定をオンにする
あくまで最大速度のため上記の速度が必ず出るわけではありませんが、少しでも通信速度にこだわりたい方は、モバイルルーター端末に「Speed Wi-Fi NEXT W06」を選ぶことをおすすめします。
しかし、ついに5Gプランにも対応するようになりました。最大下り速度は2.7Gbps、2年間月額1,144円(税込)引きで使えますよ。
それでも改善されない場合は、解約も視野に
ここまで、WiMAXの速度を改善する方法・WiMAXの通信を安定させる方法をご紹介してきましたが、いずれの方法を試してもWiMAXの速度が改善されない場合もあります。
そんな時は、GMOとくとくBB WiMAXの解約や光回線への乗り換えを検討してみてください。
GMOとくとくBB WiMAXは20日以内にキャンセル可能
GMOとくとくBBは、申し込みをして20日以内なら解約違約金不要で無料でキャンセルできます。
GMOとくとくBBお客さまセンターまで連絡をして、キャンセルの手続きを行いましょう。
連絡後5日以内にWiMAX端末機器を返却する必要があり。ギリギリになると20日を過ぎる場合があるので気を付けましょう。
なお、再入会や法人名義の場合は、20日以内の無料キャンセル対象外です。
20日を過ぎてしまったら「どんなときも解約サポート」
無料キャンセルが可能な20日を過ぎてしまった場合は解約違約金を支払って解約する必要がありますが、「どんなときも解約サポート」を利用して他社回線に乗り換えると、解約違約金がかからずに済みます。
「どんなときも解約サポート」の対象となる乗り換え先は、ドコモ光・auひかり・GMO光アクセスのいずれか。
GMOとくとくBB WiMAXから光回線に乗り換えを検討している方は、「どんなときも解約サポート」を利用するとよいでしょう。
光回線の速度にこだわるならNURO 光がおすすめ
上記でご紹介したように、「どんなときも解約サポート」を利用すれば、解約違約金なしで光回線への乗り換えが可能です。
ですが、その場合は選択できる光回線の種類がドコモ光・auひかり・GMO光アクセスの3つに限られてしまいます。
実は、光回線とひと言で言っても、回線速度は一定ではありません。
実際、一般的な光回線の通信速度が下り最大1Gbpsであるのに対し、NURO 光の通信速度は下り最大2Gbps。
NURO 光の月額料金は一般的な光回線より安いですし、公式HPからの申し込みで45,000円のキャッシュバックがもらえます。
「どんなときも解約サポート」を利用するよりもお得に、かつ高速な光回線に乗り換えが可能ですので、WiMAXから光回線への乗り換えを検討している方は、NURO 光も選択肢として検討してみてください。
まとめ
GMOとくとくBB WiMAXの速度が遅い場合は、まずはこの記事でご紹介した対策を試してみましょう。
それでも速度が改善されない場合は、そもそもWiMAX回線との相性が悪い可能性があります。
プロバイダを変えてもWiMAX回線は共通ですので、自宅でのインターネット接続が不便な場合は光回線への乗り換えを検討しましょう。
「どんなときも解約サポート」を利用して指定の光回線に乗り換えてもよいですし、あえて解約違約金を支払ってNURO 光のような高額キャッシュバックを受け取れる光回線に乗り換えるのも1つの方法です。
通信環境を改善して、ぜひ快適なインターネット生活を送ってください。