モバイルバッテリーを選ぶときの基準のひとつに充電容量というものがあります。モバイルバッテリーの充電容量が大きいとどのようなメリット・デメリットがあるのか、また大容量充電が可能なモバイルバッテリーを10アイテムご紹介します。
大容量のモバイルバッテリーを持つメリット
まずは、大容量モバイルバッテリーを選ぶことのメリットについてご紹介します。
旅先でバッテリーに困ることが減る
モバイルバッテリーが最も重宝されやすいシーンとして、旅行先というものがあります。
旅行に行っている最中にスマホのバッテリーが少なくなってしまうと、地図アプリ、写真や動画の撮影、緊急時の連絡など、さまざまなことに不都合が生じていまいますよね。
近年では、スマホアプリ連動の電子マネーを決済に使うシーンも多く、充電切れを起こすと旅そのものがかなり不便になることでしょう。
電池切れを起こした際に宿に付くまで充電ができない、というのはトラブルの原因になりますし、モバイルバッテリー自体の充電量が少ない場合には、「1回スマホに充電しただけで使えなくなってしまう」という不都合もあります。
特にキャンプなど、電源環境が安定して得られるか不安な場所への旅行の際は、大容量のモバイルバッテリーが1つあるだけで、安心度合いがぐっと向上しますよ。
1度充電しておけばしばらくそのままでもOK
充電したあとにしばらく使わなかった場合でも、自然放電が発生し、蓄電していた電気が減っていってしまうのですが、大容量の場合は自然放電後も電池残量が十分に残ることがあります。
旅行時にのみ、1年に数度しか使わないような場合であっても、最大量まで充電しておけば、追加充電は少量で済むのです。
1度フルまで充電してしまえば、1回使ったあとに充電を忘れてしまっても、かなりの量の電池が残ります。普段使いしたい人で、毎日充電するのは面倒だと感じている人にも、大容量モバイルバッテリーはおすすめです。
また、災害時などに向けても、大容量のモバイルバッテリーは活躍が期待できます。3ヶ月に1度程度、大容量のモバイルバッテリーをフル充電しておけば、いざというときにもスマホのバッテリーを心配せずに、防災情報などを収集することができるでしょう。
複数台を充電することもできる
一般的なモバイルバッテリーでは、スマホ1台を1回フル充電する程度の電池容量(5,000mAh程度)ですが、大容量モバイルバッテリー(10,000mAh以上)の場合は、複数台のスマホ端末をフル充電することも可能です。
家族や友人とシェアすることもできますし、ひとりでスマホとタブレット端末の両方を充電することもできます。それだけではなく、ワイヤレスイヤホンなどのアクセサリー機器の充電も同時に行えるのです。
こうした端末を多く持っている方には、特にうれしいのが大容量モバイルバッテリーです。
スマホ本体の充電容量が増えても安心
スマホは世代が新しくなるたびに充電容量が増えやすい傾向にあります。
例えば2017年に発売されたiPhone8は充電容量が約1,800mAh、2018年に発売されたiPhoneXは約2,700mAh、2019年のiPhone11は約3,100mAhとなっています。
これは機能が増え、便利になるにつれ、アプリケーションを起動させるのに必要な電力が増えているためです。
アプリの一つひとつが省エネルギー化されれば必要な最大充電容量は低下します(2020年発売のiPhone12は2,700mAh程度の充電容量になりました)が、基本的に充電の最大容量が増えていく傾向自体はあまり変わらないでしょう。
そうなると、モバイルバッテリーに必要とされる充電容量も、将来的に少しずつ増えていくことが見込まれます。大容量モバイルバッテリーは、こうした新しいスマホに対しても柔軟に対応することができるアイテムなのです。
大容量モバイルバッテリーのデメリット
一方で、大容量のモバイルバッテリーを持つことにデメリットもあります。
大きくて重たい
充電容量が大きいモバイルバッテリーは、基本的にサイズが大きくて重たくなります。これは本体内の充電できる領域を増やすために、本体サイズ自体を大きくし、多くのリチウムイオン電池を搭載しているためです。
各社によって違いはありますが、基本的に充電容量に比例するように大きく重たくなるため、「とにかく充電容量が大きいもの」を選ぶと、持ち運びに不便なほどの大きさ、重さのものを購入することになってしまいます。
1度の充電にかかる時間が長い
モバイルバッテリーに溜めておける電気が多いアイテムは、蓄電するためにかかる時間も長くなります。これは、同じ速度でバケツに水を溜めていく場合、バケツのサイズが大きいほうがより時間がかかるのと同じことです。
これについても各社で違いはあり、モバイルバッテリー本体への充電がスピーディーに終わるように研究は進められていますが、それでも充電容量が小さいアイテムに比べれば、かなり時間がかかりやすくなってしまうことは間違いありません。
一般的には、5,000mAhのモバイルバッテリーをフル充電するのに必要な時間が2~3時間程度で、あとは比例するように充電にかかる時間が伸びていき、10,000mAhであれば4~6時間、20,000mAhであれば8~12時間が必要になります。
大容量モバイルバッテリーは、フル充電するためにも一晩必要になるため、毎日モバイルバッテリーの電気を激しく消耗するような場合であれば、スマホ本体の充電容量を上げる(最新機種に変更する)ことも検討しても良いでしょう。
大容量のモバイルバッテリーはこんな人におすすめ
自分が選ぶべきモバイルバッテリーが大容量タイプかどうかは、以下の項目をチェックしてみてください。
旅行好き
旅行が好きでよく行くという方は、大容量のモバイルバッテリーを持っておくことをおすすめします。
旅先では充電できないタイミング、場所というのも少なくないため、突然のバッテリー不足に苦しめられることもあり得るでしょう。余裕を持って大容量にしておくことが理想です。
旅行に持っていくなら、多少大きくて重たいモバイルバッテリーであっても気になりにくいですし、充電容量不足に陥る危険のないほうが、安心して旅を楽しむことができるでしょう。
面倒くさがり
毎日充電するのが面倒、というような方にも、大容量モバイルバッテリーはおすすめです。1度充電しておけば長期間そのままでほったらかしにしておいても、しばらくは十分量の電気が残っていることが期待できます。
また、1回使った後でも電池が残るため、そのまま翌日も使い続けることができるでしょう。
かさばるのが気にならない
大容量モバイルバッテリーは、大きくて重たいという難点がありますが、これが気にならないという人であれば、問題なく使うことができるでしょう。
例えばビジネスバッグの中にいつも書類が多く入っており、500gくらい重さが増えたとしてもそれほど問題ないような人にとっては、大容量モバイルバッテリーのほうがローバッテリーになりにくい安心感が得られます。
反対に、
- 平日は職場と家の往復、休日は街中にショッピング程度の外出が中心
- 毎晩スマホと一緒にモバイルバッテリーを充電できる
- カバンのサイズが小さいため、大きいものは持ち歩けない
というような人であれば、5,000mAh程度の充電容量の小型モバイルバッテリーを探したほうがいいでしょう。これくらいまで小さな容量であれば、手のひらにすっぽりと収まる大きさで、100g前後のアイテムもあります。
おすすめの大容量モバイルバッテリー10選!
それでは、大容量のモバイルバッテリーで特におすすめできるアイテムを、10個ご紹介します。
とにかく大容量
遠出の旅行が多く、出先で充電できない可能性が高いという方は、大容量のモバイルバッテリーが向いているかもしれません。
多少サイズ感が大きくて重たくても、とにかく大容量のモバイルバッテリーが欲しいという方は、次の2つがおすすめです。
【MAXOAK】モバイルバッテリー 50000mAh
男性の手よりも一回りほど大きいくらいのサイズで、重さはカボチャ1玉分ほど(20.7×13.6×3.3cm、1.26kg)の、大型モバイルバッテリーです。
充電容量は50,000mAhで、電池残量ゼロのスマホを10台フルに充電するほどの電気を溜めておくことができます。
日頃持ち運ぶのには少々重たいですが、旅行用のカバンに入れる分には、そこまで気にならないサイズと重量でしょう。
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【Links】enerpad AC-80K(80,400mAh)
こちらは上で紹介したものの2倍以上の大きさがある、巨大なモバイルバッテリーです。
サイズは29.0×19.4×9.8cm、重量はなんと赤ちゃんほどもある2.6kg。その代わり、充電容量は80,400mAhと、モバイルバッテリーとしては最大クラスです。これ以上大きなものになると、持ち運びが難しい据え置きタイプの家庭用バッテリーになってきます。
80,400mAhもの充電容量があるため、スマホであれば16台ほどはフルで充電させることが可能です。ほかにも、AC出力端子がついており、災害時に簡単な非常電源代わりとしての利用もできます。
かなり重量のある仕様ですので、日常的に持ち歩いて使うのは難しいかとは思いますが、家族や友人との2泊3日のキャンプ、あるいは災害時用の防災バッグの奥底にしまっておくなどといった状況でも活躍が期待できる1台です。
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これらは、どちらも航空法による規制によって飛行機への持ち込みが制限されてしまうという点は、事前に注意が必要です。
車やバイク、鉄道などでの移動が中心となる旅好きの人や、災害時に備える防災バッグに常備しておきたい場合などにおすすめできます。
ある程度大容量で飛行機移動も可能
飛行機に持ち込みも可能な程度で、かつ大きな充電容量のあるモバイルバッテリーを探しているのであれば、充電容量20,000mAhをひとつの基準として考えることをおすすめします。
20,000mAhのモバイルバッテリーであれば、一般的なスマホ端末を4回フルで充電させられる程度の能力があるので、普段使いとしても、1週間に1回程度本体を充電すれば十分でしょう。
あとはサイズや重量、見た目やその他付属の機能と価格を見比べて、自分の好みのものを選ぶことをおすすめします。
今回は20,000mAhのモバイルバッテリーの中から、以下の3つをご紹介します。
【Anker】PowerCore Essential 20000
モバイルバッテリーの大手企業である『Anker』が販売しているこちらの商品は、シンプルな見た目と、モバイルバッテリーに求められる機能の両方を兼ねそろえたアイテムの中でも、特に安価に手に入れられるものとなっています。
モバイルバッテリー本体への給電はmicroUSBかUSB-Cで行うことができますが、付属品としてmicroUSBケーブルが付いてくるため、これらのコードを持っていない人でも問題なく利用可能です。
また、2つのポートからの急速充電が可能になっていますので、スマホ本体と同時にワイヤレスイヤホンを充電するといったこともできます。
サイズは15.8×7.4×1.9cm、343gと、20,000mAhのモバイルバッテリーとしては平均的で、持ち運びにも便利です。
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【cheero】Power Plus 5 Premium 20000mAh with Power Delivery 60W
国産モバイルバッテリーの大手『cheero』が販売しているこちらのアイテムは、本体への充電口がUSB-Cポートから行えます。
このアイテムの注目ポイントは、本体へのチャージ時間が、最速わずか2時間で完了する点です。これは驚異的なスピードだといえます。
モバイルバッテリーの充電を忘れていたときもすぐに対応できるため、普段からカバンの中に入れておくモバイルバッテリーとしても、かなり使えるアイテムではないでしょうか。
サイズは細長いスティック型で、15.3×6.8×2.5cm、425gです。やや重ためではありますが、ペットボトル飲料1本分の重さと考えれば、そこまででもないでしょう。
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【ELECOM】PD20000mAh 50W出力 モバイルバッテリー
『ELECOM』も、信頼度の高い日本製モバイルバッテリーのメーカーです。こちらのアイテムは、USB-A端子とUSB-C端子の出力口がついていて、最大50Wの同時出力ができます。
機能としては、先に紹介した『Anker』のものと『cheero』のものの中間といった感じで、本体の充電は最速で4時間程度、サイズ感は『Anker』のものとほぼ同じです(14.3×8.3×2.6cm、385g)。
『ELECOM』のアイテムも安全性が高く、人気があります。
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大容量なのにコンパクト
20,000mAh程度の充電容量だと、どうしても400g前後の重さにはなってしまいます。普段小型のバッグしか持ち歩いていなかったり、手提げのカバンを使ったりしている人であれば、この重さは少々大変かもしれません。
そういう人にとって狙い目になるサイズが、充電容量10,000mAhです。10,000mAhあれば、充電がゼロになったスマホを2台フルに充電するくらいのパワーがあります。普段使い用としてはちょうどいいでしょう。
ここからは10,000mAhのモバイルバッテリーを3種類ご紹介します。
【Anker】PowerCore 10000
シンプルで落ち着いた見た目のモバイルバッテリーです。本体を充電するためのポートがひとつ、スマホを充電するためのポートがひとつと、構造自体も非常にシンプルで、使い勝手のいい1台となっています。
サイズは9.2×6.0×2.2cm、180gと、カバンの中に常備しておいても気にならない大きさです。「ちょっと容量が大きいモバイルバッテリーを試してみたい」というような方にもおすすめできます。
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【TSUNEO.JP】モバイルバッテリー(10,000mAh)
10,000mAhの充電容量があるモバイルバッテリーの中では、かなり薄くて軽いアイテムです(13.5×7.0×1.3cm、110g)。
小さいながら多機能で、スマホ充電用のケーブルが内蔵されていたり、充電用出力ポートが2つ付いていたりと、サイズに比べて充実した中身というのもポイントでしょう。
ただ、充電容量自体がそこまで大きくないので、これらの機能を完璧に使いこなすのは難しいかもしれません。
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【MOXNICE】モバイルバッテリー(10,000mAh)
珍しいほぼ正方形のモバイルバッテリーです(9.5×9.0×3.4cm、200g)。入力1口、出力1口のシンプルな構造で、直感的な操作ですぐに充電して使用できます。
表面の手触り感にも特徴があり、手に馴染みやすい加工が施されていますよ。
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便利機能がついた大容量モバイルバッテリーも
ほかにも、特定のアイテムにしか付いていない特徴的な便利機能があるタイプのモバイルバッテリーも存在します。
【サンワダイレクト】モバイルバッテリー(10,000mAh)
モバイルバッテリーで問題になりがち点として、充電コードが一体になっていないことで、「充電するためにコードを持ち歩かなくてはならず、不便を感じる」ということがあります。
そうした問題を解決するのが、ACアダプタ一体型のモバイルバッテリーです。このアイテムでは、モバイルバッテリー本体についているジャックをそのままコンセントに差すだけで充電することができます。
サイズは13.7×11.5×4.2cm、270gと、10,000mAhの充電容量に比べてやや大きめですが、旅行先などで使うことを想定するのであれば、充電ケーブルを一緒に持っていく必要がなくなるため、便利度合いがぐっと上がるでしょう。
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【Anker】PowerCore Solar 10000
災害時用にモバイルバッテリーを持とうと考えるのであれば、こちらのアイテムがおすすめです。このモバイルバッテリーは、通常電源からの給電以外に、ソーラー充電の機能が付いています。
このアイテムは災害時やアウトドア使用での対応を考えて設計されているようで、ソーラー充電以外にも、LEDライトが使用可能です。
また防水、防塵加工も施されており、一般的なモバイルバッテリーに比べると、かなり丈夫に作ってあります。
その分、充電容量に比べてサイズは大きい(16.4×7.8×2.0cm、267g)ため、普段使いにするにはあまり向かないでしょう。
緊急時用として、防災バッグの中に常に入れておくだけでも安心できる1台です。
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自分の目的とライフスタイルに合ったモバイルバッテリー選びが重要!
大容量のモバイルバッテリーは、あると非常に便利ですし、緊急時にも安心することができます。一方で、大容量であればあるほど、大きく、重たくなってしまうのは仕方のないことです。
50,000mAhを超えるような超大容量のものについては、旅行先に持っていくのには非常に便利ですが、飛行機には持ち込めないケースが多く、また普段使いするには重すぎるという難点があります。
20,000mAh程度であれば、やや重たいものの、スマホ4台を充電できる程度の蓄電能力があり、飛行機への搭載もOKです。日常的な持ち歩きに便利なサイズになると、10,000mAh程度のものがおすすめだといえます。