ソロキャンプや家族・友人とのキャンプなど、キャンプを趣味にする人が増えてきています。そこで考えたいのが、キャンプ時のポータブル電源。電気を大幅に消耗する電化製品を動かしたり、スマホを充電したりと、何かと活躍してくれます。今回はキャンプ用のポータブル電源をどう選ぶかについて、ご紹介します。
キャンプ用のポータブル電源を選ぶポイントは?
キャンプ用のポータブル電源を選ぶ際には、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。順に見ていきましょう。
容量
充電容量はポータブル電源選びの中でも最も重要です。自分が使いたい電化製品の消費電力量から、充電容量を逆算しておくことが求められます。
キャンプで使いたい電化製品の消費電力は
電化製品の使用する電気の量は、製品に記載されている電力(W)数に、使用する時間を掛け合わせたWhという単位で表されます。
電気ポットは、お湯を保温するのに35W程度の電力を消費します。火を起こして熱湯を沸かし、それを電気ポットに入れた場合、1時間保温するのに35Whの電気量が必要ということになります。
また、電気毛布は30Wh程度、スマホのフル充電には15Wh程度が必要といわれています。これらの必要なWh数を3.7で割って1000を掛けた数がバッテリー容量であるmAhとなります。
定格消費電力量(Wh)÷3.7×1,000=(mAh)
キャンプで、電気ポットを使用してお湯の保温を3時間、電気毛布を6時間、スマホの充電を1回行ったとすると、
- 電気ポット:35W×3h=105Wh
- 電気毛布:30W×6h=180Wh
- スマホ充電:15Wh
の電力量が必要となります。これらを合算すると、300Whとなります。あとは上の計算式から、300Wh≒81,082mAhと計算することができます。
そのため、このような電気使用の計画がある場合は、82,000mAh以上のポータブル電源があると安心、ということになります。
また、ポータブル電源によっては、一度に出力できる電力量に上限を設けていることもあります。
例えば電気ポットでお湯を沸かすときには、瞬間的に最大で1,000W近い電力が必要になることもありますが、定格出力(ポータブル電源側から安全に出力できるW数)がこれよりも大幅に低いと、ポータブル電源本体のトラブルにつながりますので、注意が必要です。
ソロキャンプで1泊2日なら80,000mAh以上
具体的な電力量としては、ソロキャンプで1泊2日程度であれば、80,000mAh以上をおすすめします。
上の例でも挙げた通り、3時間のお湯保温と6時間の電気毛布使用、スマホの充電1回で約82,000mAh程度の電力が必要になります。キャンプに行く時期にもよりますが、これだけの電力量があれば、ひとまず必要な電源が不足することはないでしょう。
ソロキャンプでも2泊以上を想定しているのであれば、少し電力量の大きなタイプを選ぶようにしてください。
家族キャンプなら160,000mAh以上
家族や友人など、複数人で行動するキャンプであれば、160,000mAh以上をおすすめします。
お湯は数人で共有するものなので電気量は変わりませんが、電気毛布などの使用が増える可能性は十分に考えられます。
人数が増えるほどスマホを充電したい人も増えるでしょうから、ある程度余力を持った容量のものを準備しておくと無難です。
また、大人数でのキャンプであれば簡易冷蔵庫などもあると便利です。パワフルな1台があると、より楽しいキャンプになるでしょう。
サイズ
キャンプに持っていくことを考えるのであれば、実はそれほどサイズにはこだわる必要がありません。
キャンプに行く際は、基本的には車での移動になることが多いため、多少の重量差や大きさの違いは気にする必要はありません。
もちろん、コンパクトであるほど持ち運びに便利であることは言うまでもないのですが、それよりは充電容量やほかの性能に着目したほうが良いと言えるでしょう。
正弦波タイプ
電気の出力方法には、矩形波タイプ、修正正弦波タイプ、正弦波タイプの3つがあります。
簡単な電化製品を動かす場合は矩形波タイプや修正正弦波タイプでも問題ないのですが、精密機器を動かすためには正弦波タイプである必要があります。
どのような機器にも対応できるものであったほうが便利であることは間違いないので、できれば正弦波タイプのものを選ぶことをおすすめします。
出力ポート数
AC電源ひとつ以上、USB Type-AもしくはUSB Type-Cの出力ポートがひとつ以上あるものを選ぶようにしましょう。
より具体的に稼働させたい電化製品の数が分かっているのであれば、それに合わせた出力口数が揃っているものを選ぶのが理想です。
また、出力ポートが複数ある場合、一度に出力できる電力量に制限がある場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。
入力ポート種類
ポータブル電源本体の充電は、基本的に家庭用のAC電源(いわゆるコンセント)から行うことが一般的です。キャンプ前に自宅で一度充電しておいて、それを持っていく、という形です。
一方で、キャンプ中にバッテリーを使い切ってしまうこともあり得るでしょう。そのため、ポータブル電源自体をほかの動力から充電できる形態のものを選ぶと、とても便利です。
ソーラー充電
例えばソーラー充電機能のあるポータブル電源は、晴れた日に太陽光から電気を生み出すことができるという大きな利点があります。
長期間のキャンプであったとしても、ポータブル電源本体の充電残量を回復させることができるのです。
防水性・防塵性
キャンプ用のポータブル電源であればぜひ考えたいのが、防水性、防塵性です。
もちろん、防水・防塵だからといって水だらけ、砂だらけのところにポータブル電源を置くようなことは避けたほうが良いのですが、どれだけ気を使っても、やはり水滴や砂粒が付着しやすい環境であることは間違いありません。
防水性能や防塵性能が高いポータブル電源は価格も高くなりやすいのですが、特にハードな環境でのキャンプも考えているのであれば、ぜひ検討してみてください。
キャンプ用ポータブル電源のおすすめ10選
それでは、実際にキャンプに便利なポータブル電源のおすすめを10種類ご紹介します。
【Jackery】ポータブル電源
67,200mAhの小型ポータブル電源です。ソロキャンプでもあまり電気を使う見込みのない人におすすめできます。
出力ポートはUSB Type-Aが2口とAC電源が1口、DC電源が1口と、このサイズのものとしては充実しています。別売りのソーラーパネルで充電することもできる点もおすすめのポイントです。
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【BALDR】ポータブル電源330W
82,500mAhと、ある程度電源を使うソロキャンプであっても有効活用できるのがこちらのタイプ。
USB Type-Aポートが3口、USB Type-Cポートが1口、AC電源1口にDC電源出力も可能な1台です。また、天板でQiを使ったワイヤレス充電が可能というのも嬉しいポイントです。
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【LACITA】第3世代 水に強い ポータブル電源 エナーボックス ENERBOX-SP
120,000mAhの大容量ポータブル電源です。
USB Type-Aポートが3口、AC電源3口、DC出力1口の充実した出力に加え、IP44レベルの防水・防塵機能もあるため、渓流や小石の多いエリアなどでのキャンプでも安心です。
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【Philips】ポータブル電源
128,000mAhの大容量ポータブル電源です。
USB Type-A出力ポート4口、USB Type-C出力ポート2口、AC電源2口、DC電源1口の出力口数はかなりの充実ぶりです。
別売りのソーラーパネルや車のシガーソケットからの充電も可能な作りで、充電機自体を充電することができるため、キャンプ先で電源不足になりにくい仕様です。
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【Rockpals】ポータブル電源
140,400mAhの大容量ポータブル電源です。
USB Type-Aポートが3口、USB Type-Cポートが1口、AC出力が2口、DC出力が1口と、豊富な出力形式があります。
また、この容量のポータブル電源としては比較的安いというのもメリットのひとつです。
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【SmartTap】ポータブル電源 PowerArQ
174,000mAhの超大容量ポータブル電源です。
ソロキャンプであれば、かなりの電化製品を動かさない限り、この規格以上の容量を使い切ることはないでしょう。
決して電源に困りたくない1泊2日のソロキャンパー、複数泊するソロキャンパー、家族・友人などと複数人でキャンプすることを考えている人におすすめです。
出力はUSB Type-Aポートが3口、AC電源が1口、DC電源が1口とやや少なめですが、大人数で一気に使う、というような方法でなければ充分な口数があるとも言えます。
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【Anker】PowerHouse II 800
216,000mAhの超大容量ポータブル電源です。これくらいの充電容量があれば、複数人のキャンプでも電源に困ることはほぼないでしょう。
出力はUSB Type-Aポートが4口、USB Type-Cポートが2口、AC電源が2口、DC電源が1口とかなり多く、マルチに活用することができる1台です。
また、パススルー充電、カーチャージャー経由での充電も可能です。
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【JVCケンウッド】ポータブル電源 BN-RB10-C
278,400mAhの超大容量ポータブル電源です。
出力はUSB Type-Aポートが2口、USB Type-Cポートが2口、AC電源が3口、DC電源が1口の充実ぶりで、こちらもマルチな活躍が期待できる1台です。
家庭用コンセント充電、カーチャージャー、ソーラーパネル充電に対応しており、この1台とソーラーパネルがあれば、キャンプ時はもとより被災時などにまで活用の幅が広がります。
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【ECOFLOW】ポータブル電源
350,000mAhの超大容量ポータブル電源です。
複数人で複数泊のキャンプに出掛ける場合は、これくらい大容量のポータブル電源があっても良いかもしれません。
出力はUSB Type-Aポートが4口、USB Type-Cポートが2口、AC電源が6口、DC電源が1口とかなり充実しています。高出力も可能なので、多くの家電製品を動かすことのできるハイパワーなアイテムです。
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【BLUETTI】ポータブル電源
540,540mAhの超大容量ポータブル電源です。
これだけあれば、ソロキャンプなら1週間近く電気に困ることはないかもしれません。その分、重量はかなり重たく約28kg近くにもなるため、持ち運び、取り扱いには注意が必要です。
キャンプ時だけではなく、緊急時の非常用電源としても便利な1台になるでしょう。
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ポータブル電源は目的に合わせて選ぼう
ポータブル電源といっても、容量が小さくコンパクトで軽いものから、容量が大きい分重量もかなりあるものまで、さまざまな幅があります。
キャンプ用で考えるのであればそこまで重たいことがデメリットにはならないのですが、必要以上に大きな容量のポータブル電源を購入する必要もありません。
自分の使いたい用途に合わせた規格のものを選ぶようにすると、納得のいくアイテムが手に入るでしょう。